エンプラスのサステナビリティ

サステナビリティの全体像

 株式会社エンプラスは創業以来、素材開発、プロセスエンジニアリング開発、評価技術開発を推進し、それまで不可能と考えられていたものを製品化、量産化することで、世界中のお客様と共に、豊かな社会の発展に貢献してまいりました。当社グループの経営方針・企業精神・企業倫理を具現化したものが企業理念であり、社会の発展に寄与すべき企業使命を明確にするとともに当社グループのコーポレート・ガバナンスの基本原則となっております。また、世界市場のニーズに応える高付加価値製品とサービスを提供することで、現在では海外売上高比率80%、世界14の国と地域で事業を行うグローバル企業へと発展しています。
 近年、企業存続に向けたESGやSDGsへの取り組みや情報開示に対する社会の要請が高まっており、当社グループでは、社長のリーダーシップのもと、当社グループのコアコンピテンシーと社会課題を紐付けた「エンプラスの目指す姿」を策定するとともに、人財の育成やSDGs、次世代工場など幅広い領域において、当社グループの総合力の向上につなげる取り組みを進め、従業員に向けた情報発信も行っています。

企業理念(2023年制定)

エンプラスの目指す姿(社会課題とコアコンピテンシーの紐付け)

SDGs

中長期の考え方(事業ポートフォリオ)

 当社経営の生命線は「新規性の追求」にあると考えており、顧客や関係する機関とこれまでに築き上げてきた信頼関係のもと、継続的に研究開発を行い、次の事業の種を撒いております。
 事業ポートフォリオにつきましては、当社は今後、人々の健康で安心した生活を支えるEssentialな領域※に注力してまいります。
 Semiconductor事業とLife Science事業は事業自体がEssentialな領域であり、マーケット自体も成長領域です。Digital Communication事業とEnergy Saving Solution事業は、捻出した利益をEssential領域に振り向けるとともに、Essentialな領域へと業態転換を進めてまいります。事業ポートフォリオをシフトすることで変動の大きな事業運営ではなく「持続可能な成長」を目指してまいります。
※Essential領域:人と地球のQOL (クオリティ・オブ・ライフ)を高める領域

重要課題(マテリアリティ)の策定

マテリアリティ特定プロセス
 当社グループが取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定し、特定したマテリアリティに対し目標を設定し、その進捗を測る指標を設定しています。

ステップ1:社会課題の洗い出し
 環境や社会などのメガトレンドやテクノロジートレンド、SDGsなどを反映した社会課題を抽出しました。

環境 地球温暖化
水資源不足
海洋プラスチック問題
社会 人口爆発と高齢化社会
データ社会
格差拡大
各国の保護主義化
規制 炭素税導入
自動車(ガソリン車)への規制強化
個人情報保護、人権保護に関する規制強化
各国の保護主義化による輸出規制強化

ステップ2:社会課題の整理とマテリアリティの特定
 選定した社会課題に対して、企業理念や中期戦略を照らし合わせ、サステナビリティ委員会で議論を重ね、マテリアリティを特定しました。

ステップ3:マテリアリティの決定
 サステナビリティ委員会から取締役会へマテリアリティの報告を行い、取締役会でマテリアリティの決定、決議を行いました。

マテリアリティと取り組みの方向性
 当社グループは「人と地球のQOLを高めるEssential領域への貢献」を最重要課題と考えております。課題を解決するために下記取り組みを進めてまいります。

QOL

気候変動問題への取り組み(TCFD提言に基づく報告)

指標と目標

リスクと機会を評価する指標と目標

 当社グループの最重要課題(マテリアリティ)である「人と地球のQOLを高めるEssential領域への貢献」を測る指標として、 「Essential売上比率」 、「GHG排出量原単位」、「樹脂材料廃棄率」、「組織力向上への投資」を設定し、中期目標を掲げ、毎年進捗を評価していきます。

KPI 2021年度実績 2022年度実績 2025年度目標
Essential売上比率 60% 69% 75%
GHG排出量原単位
Scope1~2のGHG排出量/売上高
(t/百万円)
原単位: 0.6t 原単位: 0.5t 原単位: 0.5t
樹脂材料廃棄率
廃棄量/投入量
4.7% 3.6% 4.0%
組織力向上への投資
研修やエンゲージメント向上イベントに関する投資額
※研修参加の労務費を含む
1人あたり34千円/年 1人あたり61千円/年 1人あたり100千円/年

ステークホルダーの定義とステークホルダーエンゲージメント

 当社グループは「エンプラス コーポレート・ガバナンス ポリシー」において、株主等、従業員、顧客、取引先、社会をステークホルダーと定義付けています。当社グループは、エンジニアリングプラスチック及びその複合材料による各種製品の製造、加工ならびに販売を主業としている専業メーカーであることから、特に顧客、取引先、従業員との持続的な関係づくりに注力しています。

株主様とのエンゲージメント
 株主総会は最高意思決定機関であると考えており、株主様の権利行使期間を十分に確保し、株主様が適切に権利行使できる環境整備に努めております。
 当社は、株主様に当社の実態や経営の考え方などをご理解いただくために、IR活動を行っております。機関投資家向けには、決算説明会を四半期に1回開催しております。
 当社は、フェアディスクロージャーの観点から、IR関連情報の開示や当社ホームページ上での積極的な情報発信に取り組んでおります。また、当社は、決算短信、事業報告書、招集通知、決算説明会資料、その他当社が重要と判断した開示書類の一部につきまして、英訳対応をしており、当社ホームページにて開示しております。

顧客とのエンゲージメント
 当社グループは、顧客のニーズに応えるだけでなく、顧客の困りごとの解決や顧客製品の機能がより向上するようなソリューション提案を積極的に行うことが、顧客とのエンゲージメントであると考えています。

取引先とのエンゲージメント
 当社グループの取引先は、主にエンジニアリングプラスチック材料のメーカーと、部品の成形加工を委託している協力会社になります。特に協力会社には中小企業も多いため、当社の事業継続のためにも共存共栄を図ることが重要です。そのため、支払条件を翌月現金支払としています。

従業員とのエンゲージメント
 従業員への感謝を込めて、社長が誕生月の従業員と交流を図る「誕生会」は1964年に始まり、現在も継続開催しています。また、1975年に進出を果たしたシンガポールをはじめ、アメリカ、イギリス、東南アジア、中国などの各拠点においても、社長や役員を含め、全従業員が参加するアニバーサリーパーティを毎年開催することで、グローバルな求心力を高めています。

リスクと機会への認識

 当社グループは、高精度・高機能部品メーカーであり製品市場の変化の影響を受け易く 、固定的な中長期損益計画を策定することが難しい業界であるため、製品市場の変化を予測し、その変化に即応することが最も重要であると考えており、中期事業計画を開示していません。気候変動関連のリスクと事業機会につきましては、「気候変動問題への取り組み(TCFD提言に基づく報告)」のページをご参照ください。
 また、海洋プラスチック問題がクローズアップされるなか、当社グループでは、社内におけるエンジニアリングプラスチック廃棄量の削減に努めており、かつ、バイオプラスチックの採用に向けた検討を進めています。